研究課題/領域番号 |
18K04533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
赤松 加寿江 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (10532872)
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研究分担者 |
片山 伸也 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80440072)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 斜面集落 / 領域史 / 居住 / 生業 / 平場造成 / タンド / サン・ジョルジョ・ディ・ヴァルポリチェッラ / ヴァレ・マイラ |
研究成果の概要 |
本研究はイタリアの斜面集落において地質と集落構造には相関関係がある傾向が明らかになった。石灰岩のような掘削、施工性が容易な地質では地下空間や段畑が形成されやすく、石灰岩・片岩の集落では基盤岩を露出させる急斜面に部分的に平場を確保した独立建物が点在した。泥岩・砂岩の集落では住居は連結し、地下道や道を共有しながら一体となって斜面空間に張り付いて形成される傾向があるというように、地質ごとの違いが見られた。特にこれらの斜面集落では、平場をいかに獲得するか、そして基盤岩の特質に応じて空間構成と構造支持のあり方に工夫を施していることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
イタリア都市史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は斜面という自然基盤において居住と生業を続けてきた斜面集落の空間構成に地質特性が関係していることを明らかにした。傾斜地において法面の形状を決定する表層地質は、耕地、集落、住宅の空間構成を物理的に規定するにもかかわらず、建築史、都市史研究において地質や土壌の観点から集落の空間構造を読み解く試みはなされてこなかった。本研究は地質と斜面集落の空間構成には相関関係があるという学術的に新しい知見が得られたとともに、急斜面の滑落、災害に直面する社会の現実的課題に対して、解決の可能性を歴史から解明しうる社会的意義をもつ。
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