研究課題/領域番号 |
18K04543
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 公立鳥取環境大学 |
研究代表者 |
浅川 滋男 公立鳥取環境大学, 環境学部, 教授 (90183730)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | ブータン / 密教 / ポン教 / 非仏教 / チメラカン / クブン寺 / 男根 / センデンデワ |
研究成果の概要 |
2018年度、怪僧ドゥクパ・クンレー縁のチメラカン(プナカ)本堂で魔女アムチョキム像を観察。寺院周辺の集落には魔女除けの男根を壁に大描きしたり、その木彫を軒先から吊したり、仏壇隅に祀る家が集中する。地霊ルーを封じ込める小祠も多数確認。その最大規模例はプナカ城内にある。これら非仏教的信仰の神霊は仏教側の護法尊に変換されるが、実際には流域の土地神であり続け大祭が催される。これら全てをポン教と一括するのは間違いだが、ブータン人は非仏教=ポン教と認識しているようだ。2019年、ポン教の開祖センデンデワが7世紀にポプジカに開山したというクブン寺の二階隅にポン教秘奥の間を確認。2021年にも継続調査した。
|
自由記述の分野 |
アジア民族建築史
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ブータン仏教は北インドより伝来した後期密教の一派であり、厳格な体系性を有するとされるが、寺院や仏間を訪問すると、非仏教的な祭祀対象-魔女、地下王、水神、赤鬼・青鬼等が重要な位置を占める。それらは格式上仏像群に劣り、仏壇の片隅に置かれるが、ブータン人の精神世界において存在感が大きい。それらは黒壁瞑想洞穴での瞑想などにより調伏され、仏教側の守護神に変換されるが、依然流域の守り神であり続け、大祭が催される。それらを前仏教的な「ボン教」の神霊として一括できるわけではないが、F.ポマレが説くように、ブータン人は非仏教=ボン教とみなす傾向がある。チベット・ブータン仏教はこのように著しく土着化している。
|