アイルランドで町並み色彩調査等をもとに「創生型」町並み色彩計画の研究成果として啓蒙書『色を使って街をとりもどす』(学芸出版社、2020年3月31日)を上梓することができた。その内容はルネッサンス以降、建築学が見失ってきた色彩世界を建築実体に即して再発見し、建築家B・タウトなど色彩を設計デザインのテーマとした考え方が近代建築においても色彩が風土性の表現につながるものであることを明らかにしつつ、美しい町並みとは何かを探り、自生的秩序としての町並み色彩の可能性と重要性を描き出している。そこから建築と町並みの実体から捉え直す町並み色彩計画とその実践を提起している。
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