研究課題/領域番号 |
18K04551
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
相模 誓雄 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (20295405)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 蔵 / 屋敷 / 空間構成 / 建築史 / 日本史 |
研究実績の概要 |
第一に、本年度は、昨年度に引き続き過去の研究調査を踏まえて本研究課題のまとめを行い、3編の査読付き論文を発表した。本研究課題が対象とする御蔵所は、幕府や全国の諸藩が領内の所々に設けた年貢米を徴収する施設である。御蔵と呼ばれる倉庫群や計屋と呼ばれる検査所などからなる。論文「近世期の日本における御蔵所の空間構成に関する研究」では、「その2:型式化の条件」、「その3:長庇による空間形成」の視点から論じた。前年度に発表した「その1:計屋が御蔵所の建物配置に及ぼした影響」と合わせて、本研究課題の研究実施計画(目的)で述べた「(1)原理1:型式に基本形があることを明らかにする。(2)原理2:作業屋によって多くの型式が形成されることを明らかにする。-空間形成手法による分析-、(3)原理3:御蔵所の空間形成において「長庇」も主体的な役割を果たしていることを明らかにする。」といった3つの視点について全て検討し、成果を得ることができた。 さらに本研究課題の成果を応用・発展させるため、これまで検討してこなかった河口港における廻米に特化した御蔵所について検討した。その成果として、次年度に1編の査読付き論文を発表することになった。河口港における廻米用の御蔵所との比較によって、本研究課題が対象とした年貢米徴収用の御蔵所の空間構成の本質が明らかにされようとしている。 以上、新型コロナ感染拡大により、西日本での補足調査は2年に渡り中止を余儀なくされたが、大方目的は達成できたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題で得られた成果を応用・発展させている。しかしながら、新型コロナ感染拡大によって行動制限がある中であり、当初予定していた補足調査及び予算執行はできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題で得られた成果を応用・発展させ、次の研究課題につなげるための研究活動及び成果発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染拡大のため、補足調査ができなかったため。次年度における本研究課題の応用・発展のための研究の成果発表に必要な費用に補填する。
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