本研究ではピントル型噴射器を用いた液体ロケットエンジンモデル燃焼器の燃焼実験を通して,ロケットエンジン開発において重要となる燃焼挙動や燃焼不安定性のメカニズムの理解を目指した.実験では不安定燃焼から安定燃焼への遷移が確認され,高速度画像ベースの動的モード分解,フラクタル性に着目した非線形解析や教師なし学習などの解析手法を用いて,振動状態の分類を行った.その結果,安定燃焼は不安定燃焼に比べて,様々なスケールの振動を含んでいる複雑な振動であることが示された.また,形状の異なる噴射器の微粒化特性の比較から,We数の増加による燃焼効率改善が示唆された.
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