2001年NASAにより打ち上げられたジェネシスミッション以来,多体力学系の性質を積極的に利用することで効率的な軌道が実現され,2体問題では実現しえない特殊かつ工学的に有用な軌道がミッションにおいて多く用いられている.しかし,これまでの多体力学系の軌道設計は天体の重力場が作る力学系の運動から条件をみたす軌道を数値的に見つけだすものであり,設計の自由度は高くなかった,そこで,設計の自由度を高めるため解析的なアプローチによって多体力学系の効果を利用した低推力宇宙機の軌道設計を行い「多体力学系の力学構造の効果を最大限利用するためには,低推力をどのように加えるのが良いのか」を明らかにすることができた.
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