研究課題
2つの研究の柱のうち、「膜・ブーム展開後の形状制度の保持を目指した膜面構造に関する設計」に関連する項目として,螺旋を並置して膜の厚さを調整することによって折り線をレンダリングすることで有限の厚さの膜と湾曲した膜の高効率な収納化を提案し,かつ有限荷重領域内で展開が急速に進行する事を示した.これはブームへの負担を軽減する膜の有効な設計手法として位置付けられる.関連の成果として関連論文(英文)5本,国内発表2件が挙げられる.また,もう一つの研究の柱である「アンテナを対象とした複合的大型宇宙膜面構造物の設計法の提案」として,アンテナを構成する要素のうち最も質量を占める誘電体の軽量化を図り,基盤材に構造位相最適化を適用して曲げ剛性が高く質量70%低減化したモデルに対し,材料によってはアンテナゲインの向上が認められる構造位相が存在する事を突き止め,基板の構造位相が電波の放射特性のコントロールに寄与する可能性を示唆した.関連の成果として国際学会発表 2件,国内発表2件が挙げられる.また論文(英文)投稿1件の準備を進めている.期間全体を通して,形状記憶材じたいの形状回復による膜面の平面度保持機能と可変形状アンテナを使ったヘルスモニタリングの機能を併せ持つ適応構造型アンテナを提案し,全体衛星構造中での電波の反射の影響がある中でのシステム成立性を示した.また膜面の形状精度を,膜面じたいの折目の配置や折目の幾何学的形状を改良する事で可能な限り膜面自身で維持する手法を提案し,前述の適応構造型アンテナのパフォーマンスを向上させる道筋を示した.さらに搭載パッチアンテナの劇的な軽量化を提案し、従来手法では考えられなかった構造特性とアンテナ特性の両立性を示す事で,平面アンテナと構造適応型アンテナの併用による2つの研究の柱の統合化の道筋を示した.
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
Journal of Spacecraft and Rockets
巻: 58 ページ: 472~485
10.2514/1.A34884
Advances in Space Research
巻: 67 ページ: 2706~2715
10.1016/j.asr.2020.12.036
巻: 67 ページ: 2589~2612
10.1016/j.asr.2020.09.040
Journal of Intelligent Material Systems and Structures
巻: 32 ページ: 1013~1023
10.1177/1045389X20952545
Acta Astronautica
巻: 173 ページ: 363~377
10.1016/j.actaastro.2020.04.016