研究課題/領域番号 |
18K04566
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
桜井 誠人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究領域主幹 (80344258)
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研究分担者 |
後藤 琢也 同志社大学, 理工学部, 教授 (60296754)
金久保 光央 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (70286764)
島 明日香 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (80570035)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | イオン液体 / 二酸化炭素電解 / 炭素製造 / 空気再生 |
研究実績の概要 |
宇宙船では資源が非常に限られており、呼吸に消費される酸素も再生が必要である。サバチエ反応(CO2+ 4H2→CH4 + 2H2O)を用いた空気再生プロセスでは、原理的に宇宙飛行士の呼吸に含まれるCO2からO2の約50%しか回収することができない。 これは、副産物として生成されたCH4を宇宙空間に放出することでH2を失うためである。 メタンやCO2からの炭素生成などの方法は、O2の回収率をさらに向上させるために利用できるが、高温を伴い触媒表面に炭素が付着するため、一般的には大量の触媒を消耗する必要があると考えられている。 本研究ではイオン液体中のCO2の電気分解による炭素生成を利用して酸素を抽出 し低温でCO2を電解する可能性を調査する。イオン液体は揮発性が極めて低いので、ゼオライトなどの固体吸着剤と同様の手順でガス分離と吸収液の再生が可能である。著者らはイオン液体が持つ酸性ガス吸収能力の特性に着目し、空気再生技術を研究している 本研究では、通常の気相でのボッシュ反応とは異なり、イオン液体中でのCO2の電気分解による炭素生成を利用して酸素を抽出するプロセスを使用して、低温でCO2と反応するシステムの可能性を調査する。なお、水溶液中におけるCO2の電解に関しては様々な副生成物が発生してしまう事が分かっているため、本研究ではイオン液体を用いている。 作用極、対極、参照極を持った三電極セルを試作した。COの発生が予想されるため安全に注意して実験環境を整え装置全体をドラフトに入れた。CO2の還元に関してサイクリックボルタンメトリーなどの電気化学的測定および定電位電解を行った。 電極表面の分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25:75mol % の[DEME] [TFSI] と[BMIM] [BF4]の混合物のサイクリックボルタンメトリーの結果から、-0.5 V よりも負の電位で還元電流が観察された。還元電流の大きさが-0.8~ -1.0 V の範囲で増加したことを考慮して、この範囲で定電位電解を行い、得られたサンプルをSEM およびEDS を使用して測定した。 表面分析の結果、-1.0 V での電解によって得られたサンプルにおいて炭素析出が観察されCO2の還元が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
SEM およびEDS を使用して測定した。表面分析の結果得られた炭素析出がの由来に関して検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナのために実験が進まなかったため、次年度引き続き実験を行う。
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