研究課題/領域番号 |
18K04577
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
田原 淳一郎 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (30280366)
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研究分担者 |
小池 雅和 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70756337)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | LIF / VDP / SWARM / 非線形同期 |
研究実績の概要 |
本年度はコロナの影響もあり、非線形同期を使ったシミュレーションを中心に研究を行った。特に、柔軟な構造物を構成するためには分岐を伴った非線形振動子の構成が重要になるため、これらについて研究調査を行った。また、振動子の情報をアナログ連続情報からデジタルパルスに変更する事により、外乱に対してロバストになることが分かった。これは、今後、実験を行う際に重要になると考えられる。本研究において、水中での信号伝達にLEDと光ファイバを利用する予定であったが、海外製のコネクタ等の購入ができなかったため他の手法を検討した。 非線形同期回路についてはLEDとフォトカプラを用いて作成する事が可能となった。 非線形同期のシミュレーションについてはMatlabとPythonを用いて行った。Matlabを使う事により、多様なシミュレーションが可能になった。 また、昨年度購入した3Dプリンターを用いて空気室を作成し、アクチュエータの設計を行った。水中での試験を考えると光での通信を考える必要があるため、光によるパルスとVDPを使った非線形同期回路等を作成した。この回路を基本として人工筋肉を動作させる。 特にVDPを複数結合しても、同位相の同期と逆位相の同期が実現可能となったため、多様な運動が実現できる事も理解できた。特に同位相・逆位相が制御可能となると、ベクトル演算により多様な動作が可能になる。今後は周期を変更する手法についても検討を行う。 これらの得られた知見を元に人工筋肉群を制御する事も視野に入れる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で海外製の部品が購入できなくなるなど、実験に関しては相当な遅延が発生すると思われたため、シミュレーションを中心に研究を行った。実験は遅れたがシミュレーションに関しては十分な時間がとれた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に先行して実施した、分岐を伴った非線形振動子とパルスによる情報交換を使ったVDPのシミュレーション結果を用いて、空気室を持ったアクチュエータを作成し、非線形同期手法であるLIFやVDPを使った制御が可能であることを示す。 特に水中での試験を考えており、海外製のコネクタを使わずとも試験を可能にする。また空気室を構成する際のアルゴリズムとしては、粘菌の様に利用頻度の高い部分と低い部分を組み合わせることにより、成長や構成を変える手法を検討する必要性がある。 また、非線形同期で制御する柔軟な構造物には見えない遅れがあり、これが制御を困難にするため、これについても調査を行う。 特に、空気室を持った柔軟構造体を構成する手法については研究の余地が多く、知見が少ないため文献調査等を行う。一方で電子制御回路等については先行している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ等の影響により海外製の実験部材の購入ができなかったため。シミュレーションを中心に行ったた。実験については研究期間の延長を申請した。
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