本研究では,操船に2名の人間を介在させるという従来船舶のコンセプトを崩さずに,音声認識システムを用いて船上の航海士と陸上の操舵手が連携できる遠隔操船システムを開発した.システムでは,船陸間通信に遅延が問題となったため,通信遅延発生時の操船を補間する自律操船機能をシステムに付加することで問題を解決した.船上の航海士は,操舵手と音声認識システムを用いた連携をすることで,船橋に操舵手が存在していることを意識することができ,陸側の操舵手は,船橋の状況を再現するVR操船シミュレータから操舵することで,自分が船橋にいる感覚で操舵ができるシステムとなった.
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