研究課題/領域番号 |
18K04604
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
宮川 雅至 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50400627)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 都市工学 / 施設配置 / 施設数 / アクセシビリティ / カバー距離 / カバー率 / アクセス距離分布 / 施設閉鎖 |
研究実績の概要 |
平成30年度に構築した施設の最適な整備量を決定するためのモデルを,面的な広がりを持つ面的施設,および階層型道路網における交差点に応用した.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.公園のように施設が面的な広がりを持つ領域で表される面的施設を対象に,施設の最適な密度,規模,形状を決定するためのモデルを構築した.施設の配置パターンとして格子状配置とランダム配置を考え,距離の計測には直線距離と直交距離を用いた.そして,施設からどれだけ離れたところに何人の住民がいるかを表すアクセス距離分布を用いて,施設の密度,規模,形状がアクセス距離に及ぼす影響を明らかにした. 2.階層型道路網における最適な交差点間隔を決定するためのモデルを構築した.幹線道路と補助幹線道路からなる格子状道路網を考え,5種類の交差点配置に対して平均移動時間を求めた.そして,幹線道路と補助幹線道路の移動時間がトレードオフの関係にあることを示した.次に,平均移動時間を最小にする交差点間隔を求め,都市規模,幹線道路延長,走行速度,交差点での遅れが最適な間隔に及ぼす影響を明らかにした.また,モデルを用いて東京23区の交差点間隔を評価した.さらに,都市内交通だけでなく,流入・流出・通過交通を考慮できるようにモデルを拡張した. 以上の研究成果は,施設の統廃合や増設の意思決定に役立つだけでなく,今後の施設配置モデルの発展にもつながるなど,施設の効率的な整備に資するものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果をまとめた論文が査読付学術雑誌に掲載されたほか,国内外の学会で成果を発表するなど,研究は計画通り進展している.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を取りまとめ,施設を効率的に整備するための指針を得る.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で学会が中止になったためであり,次年度の資料収集・成果発表の旅費として使用する.
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