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2020 年度 実施状況報告書

超高齢社会を迎える地域の保健医療福祉サービスの生産性向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K04605
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

横山 淳一  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40314083)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードシステム思考 / 地域・職域連携推進事業 / 二次医療圏協議会 / 因果ループ図 / システム分析
研究実績の概要

本年度は,地域の保健医療福祉サービス,特に具体的な保健サービスである地域・職域連携推進事業に着目し,その事業の生産性向上を阻んでいる構造ついてシステム的な見地から分析した。
保健医療福祉サービスは,多職種の専門家や関係者が適切に連携することで,効果的かつ効率的なサービスが提供される。様々な立場の関係者の関わり方により,その成果は大きくもなれば小さくなってしまうこともある。しかしながら,それらの関わり方による結果は狙って行われるものばかりではなく,いくつもの因果関係が複雑に関係した結果生じている。システムに含まれるサブシステム各々について別々に生産性を向上させても部分最適に陥り,必ずしもシステム全体の生産性向上は保証されない。
そこで,本研究では,地域保健システムおよび職域保健システムを連携して,地域全体の保健レベルの向上および健康問題の解決を目指す地域・職域連携推進事業を事例に,システム思考のツールの一つである因果ループ図を用いて,その構造を分析した。それによりレバレッジポイントを見つけ出し,効果的かつ効率的な問題解決策を提案した。
具体的には,事業を取り巻く4つの因果ループ図,1)関係者を事業に巻き込む連携推進ループ(拡張型ループ),2)事業の核となる取組を推進する積極的な活動ループ(拡張型ループ),3)連携を継続する上で必要な協力者の本務と連携協力のバランスループ(バランス型ループ),4)連携事業を担当する担当者同士のコミュニティ推進ループ(拡張型ループ),を示すとともにループ間の相互関係についても明らかにした。さらに,地域・職域連携推進事業を効果的かつ効率的に運営(生産性を向上)するためのポイントおよび方策を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大により,大学の授業実施形式がオンライン形式となった。そのためオンデマンド型授業コンテンツの作成等,授業準備に例年以上に時間を要することとなり研究時間の確保が困難となった。また,研究対象としていた地域・職域連携推進事業の実施が縮小ならびに休止され,情報を収集することが困難になったため。

今後の研究の推進方策

・次年度(2021年度)は,これまでの研究で明らかにされた知見から,生産性向上を目標に、具体的な評価尺度および効果測定法,そしてPDCAサイクルの構築について提案する。
・具体的には,情報システム環境に着目し,担当者が2~3年で交代するという制約の下,地域・職域連携推進事業担当者(保健所職員)が継続的に事業を推進するためのデータ収集・分析・ノウハウの蓄積システムを構築する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大のため,複数回計画していた出張等が困難になり旅費等,使用計画が異なるものとなった。次年度は,オンラインでのヒアリング実施も併用しながら,研究を進めていきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 職域保健に関するデータの収集における課題2020

    • 著者名/発表者名
      伊藤 彰悟, 横山 淳一
    • 雑誌名

      日本経営診断学会論集

      巻: 19 ページ: 36~42

    • DOI

      10.11287/jmda.19.36

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] システム思考による地域・職域連携推進事業の問題構造の可視化とその対策提案2020

    • 著者名/発表者名
      横山 淳一, 柴田 英治
    • 学会等名
      日本経営診断学会第53回全国大会

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公開日: 2021-12-27  

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