研究課題/領域番号 |
18K04625
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
村上 啓介 関西大学, 商学部, 准教授 (90646457)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 組合せ最適化 / アルゴリズム / 最適化モデル / 輸送システム |
研究実績の概要 |
本研究では最適化の技術を用いて,データ変動と大規模問題に対応しうる輸送システムの構築を目的とする.顧客からの急な依頼に対して,即座に新たな解を導き出すシステムであり,輸送業界に広く適用可能なシステムを目指す.計画している具体的な研究項目は,1) データ変動に対応できる柔軟な最適化モデルの構築,2) 問題の規模に応じた高速解法の開発,3) 開発した最適化手法の限界の検証と代替法の創出,の3つである. 本年度は,データ変動に対して柔軟に対応するために,データ変動を予測して変化に対して計画の変更を行いやすい最適化モデルの構築を行った.ここでのデータ変動とは,例えば宅配便の場合急な配達依頼や集荷依頼のことであり,バスなどの公共交通機関の場合は乗客のことである.ただし,バスにおいては,基本的には利用者がいるバス停のみを訪れることを前提としている.モデル構築のために,まずデータ変動を確率で表現して,予定経路から増加する走行距離の期待値の最小化問題を作成した.次に,モデルの有効性を確かめるための解を導出するために簡単なアルゴリズムを作り,実装を行い求められた経路の質を確認した.その結果,単純な期待値を用いたモデルでは,多くの場合にデータ変動に対して影響を受けにくい経路を求めることができるが,時折データ変動に対して影響を受けて非効率な経路を出すときがあった.この結果の検証により,期待値を用いたモデルをベースとしてモデル構築を行い,そのモデルではカバーしきれない状況においては,状況を即座に判断して特別な処置を行うようなモデルを構築するという方向性を定めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いくつかのモデルの構築とアルゴリズムの開発・実装を進めており,有効性の実証を進めており,おおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度方向性を定めた、即座に変化に対応できる新たなモデルの構築と、そのモデルに対して高速で有用なアルゴリズム開発を行っていこうと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
現段階で必要な計算機の性能が予想していたほど高くなかったため、新たな高性能な計算機を購入する必要がなく、予算計上していた計算機購入費を使用することなく計画を進めることができたため. 今後必要になる数値実験のための高性能な計算機の購入費および次年度の国外旅費に充てる予定である.
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