研究課題/領域番号 |
18K04626
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
譚 康融 久留米大学, 経済学部, 教授 (70368968)
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研究分担者 |
谷口 剛 久留米大学, 文学部, 教授 (00102096)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | change point / Bayesian / jump / particle filter |
研究実績の概要 |
本研究の目的は非線形確率システムにおけるシステムの状態変化、構造変化を転換点の出現として捉え、それらの転換点の検出の数理的手法、モデリング方法、シミュレーション法などを開発し、ならびにそれらの変化に応じたリスクの評価を行い、リスク管理の対策を有効的にとることとしている。 今年度の実施計画通り、先行研究を含めた数理統計学に関する理論の整備・拡張、また人工知能などの手法に関わる理論と応用の整備・拡張を行い、前年度の研究によって、できた基盤整備の拡張及び精緻化を目指した。 本研究で開発した手法は、確率微分方程式(SDE)におけるジャンプ(Jump)・構造変化(Structure change)の検出や、ネットワークのトラフィックにおける急激な変化を呈した時の転換点検出などのIT分野に効率よくイベントの発生を検出することや、経済活動における異質エージェントの行動のモデリング化とトモグラフィによるその確率分布の推定にも応用し、それらの有効性を確認できた上、さらに本年度の研究では、独自な研究結果として、実証分析を用いて、医学分野の事例(感染症流行における感染者数の時系列データ(WHO)の解析)や、経済変動の事例研究などを通じて、開発・提案された手法の有効性と正確性を確認できた。 研究実績として、以下の論文を刊行した。(1)感染爆発における感染者数の時系列データにおける転換点の検出(ドイツ、イタリア、オーストリアの事例研究)およびその転換点の持つ公衆衛生的・社会的意味(2)経済学の分野での価格変動(Jump)や、Bullwhip現象などの問題を取り上げ、理論解析と事例研究の両面から究明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の世界中における拡大によって、海外の研究者との研究会や、討論会などが今年度は難しかった状態になっていたため。
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今後の研究の推進方策 |
既に取得した研究成果を踏まえて、今年度はインターネット会議を活用して、国内外の専門家による講演会や、研究会を行い、広範的に専門家らのご意見を聞き、モデリング、評価などを含めた数理的な手法の精緻化、拡張を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナ禍の影響で、学会発表に参加できず、また国内外の専門家らによる討論会、研究会の予定も実現できなかったため。来年度に置いて、ネットミーティングを活用し、国内外の専門家らによる講演会、討論会を行う予定である。
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