研究課題/領域番号 |
18K04627
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研究機関 | 鎮西学院大学 |
研究代表者 |
新田 章子 鎮西学院大学, 現代社会学部, 研究員 (30457501)
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研究分担者 |
黒木 智鶴 活水女子大学, 看護学部, 講師 (00783359) [辞退]
三浦 沙織 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (60783363)
中尾 理恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80315267)
本多 由起子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90782219)
馬場 保子 活水女子大学, 看護学部, 講師 (70623205)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 地理的不利状況 / 斜面地域 / 認知症 / レジリエンス / 地域づくり / 認知症予防 / 民生委員 / ソーシャルキャピタル |
研究実績の概要 |
インタビュー調査では斜面市街地で活動している民生委員6名を対象にグループフォーカスインタビューを2回実施し帰納的に分析した。「民生委員同士の連帯」「バックアップ体制」「定期的な研修会」「抱え込まない」「活動を楽しむ」が抽出され、民生委員は活動を地域住民が健やかに暮らしていける活動と認識し、民生委員同士の連帯感や困ったことがあればすぐに相談できる地域包括支援センターとの連携がモチベーションに大きく関係していた。定期的な研修会でケースワークの方法を学ぶため、住民の変化に気が付き、早期に行政につなぐことを可能にしていた。できる人ができるときにできる範囲の仕事をし、活動を楽しむという共通理念は活動の負担感を軽減していた。 質問紙調査では斜面地と平地に住む65歳以上の高齢者858名を対象に郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は、基本属性(性別、年齢、家族構成、居住年数)、主観的健康感、認知症予防に関する活動の有無、基本チェックリスト、ソーシャルキャピタル、精神的回復力尺度である。回答返却数299名分のうち、279名(有効回答率32%)を分析対象とした。斜面地191名(68%) 、平地88名(32%)であり、COVID-19が流行する1年前と比較し、社会活動や外出回数が減少し、健康への関心や見当識障害が増加していた。精神的回復力(レジリエンス)に変化は見られなかった。斜面地、平地の約4割が筋力低下や認知症予防のために何らかの活動をしていた。COVID-19の影響で外出や他者との交流、社会活動が制限され健康を損なうデメリットもあるが、それらにより健康への関心が高まり、健康のために自分に見合った予防的な活動をしていたことが示唆された。精神的回復力(レジリエンス)に影響しなかったのは激しい環境の変化に対応できていたことが示唆された。
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