研究課題/領域番号 |
18K04629
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中岡 伊織 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (50469186)
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研究分担者 |
陳 韻如 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00389404)
朴 唯新 県立広島大学, 経営情報学部, 教授 (20435457)
赤岡 広周 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (70571074)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | イノベーション / cMOT / ネットワーク分析 / 自然言語処理 / ICT業界 / 自動車業界 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,イノベーションの成果へとつながる価値獲得メカニズムにおいて,特許情報より技術開発の強みを明らかにするcMOTフレームワークを開発することを目的に研究を進めている.cMOTフレームワークではR&Dの方法・内容および開発人員の構成について,MOTにおける知見をもとに各々複数の観点からの分析を目指している. 2020年度には,特許情報データベース(ICT業界,自動車業界(EV・自動運転))をもとに,各社ベースの分析として技術開発のネットワークの観点を含めた技術開発における両利きの経営度合いを分析するためのフレームワークを,業界ベースの分析として技術開発の先行性について明らかにするためのフレームワークを構築した. これらをもとに,Nakaoka et al.(2020)はIEEE International Conference on Industrial Engineering and Engineering Management(IEEM2020)にて,日本ICT企業の海外優良ICT企業と比較して両利きの経営度合いが低調に推移してきたことを発表した.また異なるアプローチから電気自動車業界を研究した研究(Park, Nakaoka, Chen(2020))では,日本の自動車業界は活用型に近く,BYDやTeslaは探索型に近いことを報告した. 業界ベースでの分析をした研究としては,中岡,赤岡(2020),赤岡,中岡,朴(2021)は自動運転業界において技術開発内容の先行性を調査した結果として,日本企業が有するの先行性は2010年代中盤から後半にかけて失われていることを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間の中で,cMOTフレームワークとして予定していた6つのフレームの中で, 5つについてはすでに完成したこと,および業界ベースで分析するためのアプローチも加えて開発できており,ほぼ順調に進んでいると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後これまで行ってきた業界に限らず,cMOTフレームワークを様々な業界に当てはめながら,技術開発戦略を導くための研究を進めていく. 昨年度は国際会議などで発表できる機会が少なかったので,今後はコロナの状況を見極めながら研究成果の論文化を推進する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症の関係で,予定していた研究打ち合わせや国際学会出張などがなくなったことが影響している.その分次年度にて計画的に遂行する.
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