2020 年度研究成果報告書

化学兵器の使用痕跡を検出するセンサー分子の開発

研究課題

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研究課題/領域番号	18K04634
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
審査区分	小区分25020:安全工学関連
研究機関	京都工芸繊維大学
研究代表者	楠川隆博京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (70300720)
研究期間 (年度)	2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード	化学兵器 / サリン / ソマン / メチルホスホン酸 / 蛍光発光 / 使用痕跡
研究成果の概要	サリン・ソマン・VXなどの有機リン系化学剤は、容易に加水分解によりメチルホスホン酸を生成するため、これら有機リン系化学剤を検出することは、しばしば困難である。我々は、この加水分解により生成したメチルホスホン酸を選択的に検出する蛍光発光センサーの開発を行い、これら化学剤の使用痕跡を検出する方法の開発を検討した。メチルホスホン酸の検出には、蛍光発光性分子に認識部位となるアミジノ基を修飾したセンサー分子を開発した。このセンサー分子の溶液にメチルホスホン酸の水溶液を加えることで、青色の蛍光発光を示し、この発光により、メチルホスホン酸の存在を検出できるセンサーの開発に成功した。
自由記述の分野	分子認識化学
研究成果の学術的意義や社会的意義	サリン・ソマン・VXなどの有機リン系化学剤は、容易に加水分解によりメチルホスホン酸を生成するため、これら有機リン系化学剤を検出することは、しばしば困難である。しかし、これら有機リン系化学剤の加水分解物を検出することで、化学剤の使用が間接的に確認でき、テロなどの被災の際に早期の診断や治療を開始することが可能である。このメチルホスホン酸を大型の分析機器で検出することは可能であるが、テロ現場でも使用可能な簡易検出法の開発が望まれる。我々が開発したセンサー分子は、このようなテロ現場での迅速な診断を可能とする。