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2018 年度 実施状況報告書

針状物質を含む浮遊粉塵の簡易識別システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K04635
研究機関山口大学

研究代表者

進士 正人  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40335766)

研究分担者 林 久資  山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (30633614)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード施工環境測定 / 浮遊粉じん測定 / 安全工学
研究実績の概要

平成30年度は,浮遊粉じんの違いによる散乱強度の変化状況の把握を目的として研究を進める中で,トンネル坑内で通常使用される粉じん測定器より1台1万円以下と極めて安価で市販されている簡易粉じん測定器の利用可能性を検討した.簡易粉じん測定器とは空気清浄機の粉じん濃度センサーとして開発されたものを簡易粉じん測定器として市販されているものである.しかし,通常の室内環境測定を目的としてこの測定器は開発されたので,そのままでは感度が高すぎて適用を想定しているトンネル坑内のような高濃度な粉じん濃度環境下では適用できないことが最初から想定された.そこで,電子回路を調査し散乱光の光量を下げる方向で調整することで感度を低下することができることがわかった.この改良を行ったうえで,山口大学では小型室内粉じん実験装置を製作し,装置内で香取線香を発生粉じんとして浮遊状況を再現し,高濃度でも測定できることを確認した.
この結果をもとに,労働安全衛生研究所内の小型チャンバー試験装置を使って,粒径加積曲線もあきらかな標準粉じんを使用した長時間粉じん測定実験を複数台の簡易粉じん測定器による同時測定と従来の粉じん測定器との比較実験を実施し,簡易粉じん測定器の個体誤差の確認および長期安定性について検討した.
その結果,簡易粉じん測定器の個体差は低く,適用性の高さが明らかとなった.しかし,簡易粉じん測定器はフォトダイオードトランジスターによる反射光量測定のため粉じん形状の違いに関する検討には限界があることも明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

粒径による散乱強度の違いの確認に関して,山口大学での蚊取り線香を用いた粉じん測定実験並びに労働安全衛生研究所での標準粉じんを用いた簡易粉じん測定器による粉じん測定実験により確認できた.そのため,本研究は,ほぼ順調に推移していると判断している.今後は,簡易粉じん測定器内部の粉じん測定ユニットを改良して,フォトダイオードトランジスターを画像カメラに置き換える検討を行い,光源波長の違いによる散乱強度の変化を調べる.浮遊粉じん形状の違いに関しては,働安全衛生研究所に建設予定の実験施設の整備状況とも合わせて柔軟に対応していく.

今後の研究の推進方策

簡易粉じん測定器内の粉じん測定ユニットを3Dプリンターを使って試作し,カメラセンサーおよびIRセンサーを組み込む改良を行う.それにより,粉じん光源波長の違いによる散乱波形の違いや,散乱強度の違いを調べる.その結果を基に粉じん形状の違いによる散乱強度変化の可能性について検討を進める.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 室内風洞実験によるトンネル建設時の粉じん捕集効率の向上に関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      酒井健二,小林大輝,谷純平,森本真吾,進士正人
    • 雑誌名

      土木学会論文集F1(トンネル工学)

      巻: Vol.74,No.1 ページ: 15,24

    • DOI

      10.2208/jscejte.74.15.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] トンネル工事における通風換気システム評価のための中規模実験2018

    • 著者名/発表者名
      酒井健二,岸田展明,中村憲司,大塚輝人,進士正人
    • 学会等名
      土木学会第28回トンネル工学研究発表会「報告Ⅰ-48」
  • [学会発表] トンネル工事における通風管理システム評価2018

    • 著者名/発表者名
      大塚輝人,酒井健二,片谷篤史,岸田展明,中村憲司,板垣晴彦,進士正人
    • 学会等名
      安全工学会第51回安全工学研究発表会

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公開日: 2019-12-27  

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