研究課題
Work-As-Imagined(WAI)は頭の中で考える手術のなされ方、Work-As-Done(WAD)は実際の手術のなされ方である。WAIとWADを近づけて、レジリエンス・エンジニアリング理論を胸部外科手術へ実装する方法を明らかにした。肺癌肺葉切除手術で、1)胸腔内癒着に対する外科医個人の対応、2)肺動脈出血に対する外科チームの対応、3)生命を脅かす肺動脈大出血に対する手術室多職種チームによる対応、の3つの場面において、外科医のWAIとWADやそのギャップを近づける方法、パフォーマンスの調整を明らかにした。外科医個人、手術チーム、病院組織のレベルで、手術の変動にうまく対応し、WAIとWADを近づけて実践している。日常の外科手術にレジリエント・ヘルスケア理論を実装するためには、1)インシデントや予期しない事象を教訓として、うまくいくことの経験を学習すること、2)予見、監視、対応、学習の循環メカニズムを構築することが重要である。手術において外科医は、1)安全第一、2)手術目的の達成、3)迅速な手術の3つを重要視している。手術チームのメンバーの聞き取り調査では、手術がうまくいくためには、どの術者も「安全第一」が重要であると答えた。外科医はその場で互いにコミュニケーションを取り、チームとしてのシステムを構築することができる。強力なレジリエント力のある外科チームを構成して、システムとしてのパフォーマンスを向上させるためには、1)同じ目標、同じ優先順位を共有する、2)明確な口頭でのコミュニケーションを行い、ギャップを理解し、自分の職種の境界線(たこつぼ)から出て、言葉で言う、3)チ-ム全員は強い意志(鉄の心)を持ち、怒りの管理を学ぶ、4)困難状況でも即興で対応できる、の4つの事項が重要である。
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