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2018 年度 実施状況報告書

太陽光発電設備の火災や損壊による感電事故低減技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K04644
研究機関宇部工業高等専門学校

研究代表者

濱田 俊之  宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (20733695)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード感電 / 火災 / 無電圧化 / 太陽光発電設備 / 遮光
研究実績の概要

太陽光発電設備(PVS)は火災や地震などにより損壊しても光があたれば発電をすることができる。そのため、ダメージを受けたPVSの点検や状況確認、復旧作業時において作業従事者や所有者が感電する恐れがある。特にPVSが設置された住宅の火災では、放水活動や残火確認において消防士が感電する事故が多数発生しており、PVSの火災や損壊時における安全性を確保する対策の開発が望まれている。
本申請課題では、火災など各種災害によりPVSが損壊した場合に、事故の波及防止及び事故後の点検・補修や撤去に従事する作業員の感電事故を低減させることを目的として、太陽光発電モジュールの発電を休止あるいは無電圧化する手法の開発を目指す。本課題達成のための手法として、①電気的手法によるモジュールの無電圧化、②被害モジュールの物理的な遮光という2つの視点から課題解決を目指した研究を行っている。
平成30年度は、PVSの物理的無電圧化のため、有効な遮光手法の検討を行った。特にPVSの故障する場面を想定すると強風や土砂崩れなどによる損壊が近年多く発生しており、前述被害の場合は大量の撤去すべき太陽電池パネルが発生することから、簡易かつ安価で大規模に遮光可能な材料として水性塗料を遮光剤として選定するに至った。ちなみに、火災などの場面での遮光作業を想定すると不燃性及び高い耐熱性も必要であるため、水性かつ耐熱性の高いウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、フッ素樹脂系の塗料にて噴霧器を用いて光透過特性を評価した。
その結果、いずれの材料においても太陽光発電パネル用白板ガラス上に膜厚50μm以上塗布することで、光透過率を数%まで低減できた。これは、充電部に接触したとしても感電しないレベルであり、前述塗料による遮光の有用性を確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定とおり研究は進捗している。平成30年度は当初予定の太陽光発電設備の無電圧化に向けた遮光材料の選定と遮光特性の評価を行う予定であり、遮光材料として水性塗料を用いた遮光特性評価を行うことができ、前述手法の有効性も確認できているため。また、次年度に向けた電気的な無電圧化の基礎実験用の設備購入と試験回路の検討を行えている。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、太陽光発電設備の電気的な無電圧化へ向けた太陽電池モジュール回路短絡の有用性を確認する試験及びリレー回路開発を行う予定である。また、遮光による無電圧化技術では他の遮光剤の検討を引き続き行いつつ、有用な塗布技術の開発を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

生じた次年度使用額については1万円を満たない額であるため、予算の執行は適正に行ていると考える。また、次年度使用額については消耗品の購入に充てる予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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