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2019 年度 実施状況報告書

沖合を航行する船舶のAISデータを転用する巨大津波の流速の計測とリアルタイム予測

研究課題

研究課題/領域番号 18K04654
研究機関東京海洋大学

研究代表者

稲津 大祐  東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (30462170)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード津波 / 流れ / AIS
研究実績の概要

国際海事機関(IMO: International Maritime Organization)のSOLAS(Safety of Life at Sea)条約に基づき、海上の安全を確保し、海運・海上貿易の動向を把握するために、規定の船舶は、その位置情報を含む所定の情報を、AIS(Automatic Identification System)データとして、連続的に発信する規則になっている。発信されたAISデータは、沿岸の固定受信局または低高度軌道衛星で受信され得る。研究代表者は、IMO規則によって収集されているAISデータが、特別な付加情報無しで、津波に伴う流れを検知できるかを調査している。2018年度までに、2011年の東北地方太平洋沖地震に伴う巨大津波による流れが、当時に沖合を航行していた船舶のAISで、定量的に検出できることを確認した。この結果は、沖合を航行する無数の船舶が、現状のAISの枠組みで、津波の流れを検知するセンサーとしての機能を有していることを示している。この成果はPEPS誌において査読付論文を発表した。この論文はResearch OUTREACH誌にハイライトとして取り上げられた。2019年度には、AISデータのノイズを低減する方法を原理とともに提案した。沖合船舶は針路を適宜修正するが、この効果を取り入れることで、データのノイズレベルが効果的に減少させることに成功した。この成果はEPS誌において査読付論文を発表した。研究の現状では、2011年の単一の地震津波についてのみの調査しかなされていない。今後、津波検出レベルの詳細評価、および、日本だけでなく海外も含めその他の地震津波イベントを対象に調査を拡大する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画時には期待していなかった成果も出てきている。

今後の研究の推進方策

マグニチュード9に達する超巨大地震津波に対しては、AISデータは、十分に津波を検知できることを確かめた。ノイズレベルの低減方法も提案した。今後、国内外の中規模(マグニチュード7~8)な津波イベントを対象に調査を拡大する予定である。

次年度使用額が生じた理由

物品費が思ったよりはかからなかった。その分が今年度に予定される可能性が高い。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Extracting clearer tsunami currents from shipborne Automatic Identification System data using ship yaw and equation of ship response2020

    • 著者名/発表者名
      D. Inazu, T. Ikeya, T. Iseki, T. Waseda
    • 雑誌名

      Earth, Planets and Space

      巻: 72 ページ: 41

    • DOI

      10.1186/s40623-020-01165-7

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 船舶の航海データ(AIS)で津波の流速を計測することについて2019

    • 著者名/発表者名
      稲津大祐・池谷毅・井関俊夫・早稲田卓爾
    • 学会等名
      日本測地学会第132回講演会
  • [学会発表] Offshore tsunami current meters using navigation records (AIS) from multiple unspecified ships2019

    • 著者名/発表者名
      D. Inazu, T. Ikeya, T. Iseki, and T. Waseda
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting 2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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