研究課題/領域番号 |
18K04656
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
秦 康範 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70360849)
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研究分担者 |
酒井 厚 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (70345693)
牛山 素行 静岡大学, 防災総合センター, 教授 (80324705)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地震 / 緊急地震速報 / 避難訓練 / 効果測定 |
研究実績の概要 |
本研究は、研究代表者が開発した新しい避難訓練手法である緊急地震速報を活用した抜き打ち型避難訓練の短期・長期的な効果測定を行い、防災的な教育効果が生まれるプロセスを検証しつつ、防災に留まらない教育効果の実証を行うことを目的としている。この目的を達成するために、今年度は主に下記の2項目を実施した。 1.質問紙の設計と質問紙調査の実施:2018年度に作成した防災に留まらない教育効果を測定可能な尺度(防災レディネス指標と呼称)について、研究代表者と研究分担者らで議論し、各尺度に関わる質問項目の精査と有効性を議論した。具体的には、質問紙調査の実施結果にもとづいて、尺度の有効性を検討するとともに、防災に留まらない教育効果について分析した。分析結果が既存の質問紙(東北大学で開発された8つの「生きる力」)による質問紙調査と比較することにより、尺度の新規性やオリジナリティ、有効性と課題を明らかにした。 2.抜き打ち型避難訓練のビデオ映像の解析:校庭で遊んでいる児童に対する抜き打ち型避難訓練の映像は、社会心理学で言う集合の同調行動を記録した貴重な映像であることが判明した。そこで、児童一人一人の位置(足元)を固定カメラの映像上で点として抽出し、次に画像上のxy座標を実空間座標(平面直角座標)に座標変換することを行った。これにより、児童の避難行動を定量的に分析することが可能な環境整備の構築を行うことができた。なお、集合の同調行動に関する知見については、災害時の人の行動に造詣が深い東京大学情報学環総合防災情報センター関谷直也准教授からご教示いただいた。また、実空間への座標変換にあたっては、高度な空間解析技術を有する東京大学生産技術研究所竹内渉教授の協力を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の成果を踏まえて研究計画に沿って研究を進めており、着実に成果も上がっているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年であり、これまでの分析結果を成果としてとりまとめる。新型コロナウイルス感染症の影響で予定していた取組が困難な場合は、善後策をすみやかに検討し、必要な措置を講じる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の研究進捗状況を踏まえ、一部予算の実施について2020年度に繰り越すことが妥当であると判断したため。
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