研究課題/領域番号 |
18K04657
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
佐治 斉 静岡大学, 情報学部, 教授 (10283334)
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研究分担者 |
田村 裕之 総務省消防庁消防大学校(消防研究センター), その他部局等, その他 (70358795)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 大規模災害時道路情報 |
研究実績の概要 |
今年度は、これまでに検討したヘリコプター映像とディジタル地図等の統合処理において、データの位置合わせ精度を向上させる手法を検討した。具体的には、画像と地図の統合処理を、画像の射影変換による大局的処理と、画像の非剛体変形による局所的処理に分け、さらに位置と時間をずらして撮影された複数の画像を比較し画像データの差分値を活用することで、地形や建物の高低差により生じる画像と地図の位置合わせ誤差に対応した。以上の手法を考案した上プログラムとして試作し、実データを用いた基礎実験と評価を行った。情報の位置合わせ誤差として、消防車等が通行可能で救助活動に活用される道路幅 (想定は6m) 以下となることを目標としたが、おおむね達成できたことを目視で確認した。なおヘリコプター映像や地図情報は、研究代表者の組織がすでに所有しているものを活用した。次に統合処理により構築された基盤情報から、道路上の変動情報を抽出する手法を考案し、試作プログラムを作成した。なお、ここでの変動情報としては、道路上の車両、建物のがれきや土砂、水域等を抽出対象とし、画像内の色情報やエッジ情報、およびテキスチャ情報等を用いた画像解析結果と、数値標高モデルを用いた地形解析結果を統合することで、より高精度に道路上の情報を抽出する手法を考案した。また、災害によって変化が生じた領域として、道路内だけでなく道路外の建物や山地等からも抽出する手法を検討し、様々な災害に対応することを目標に研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヘリコプター映像とディジタル地図の統合処理について、位置合わせ精度向上のための手法を改良し、実データによる実験によっておおむね結果を出すことができた。さらに、統合された情報からの道路上の物体の抽出について、車両、土砂、がれき、水域を抽出する手法を考案した。
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今後の研究の推進方策 |
道路および道路周辺部から抽出された情報にもとづいて、広域の情報を解析する手法を検討し、災害による被害を実際に受けた地域のデータを用いた実験と評価を行う。また、実社会で活用可能にするためのシステムの具体的な要求仕様も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)研究成果を学会等で発表する予定であったが、情報調査に時間がかかり、発表までに至らなかったことが理由である。
(使用計画)国内の学会等に参加し、成果の公表を積極的に行う予定である。
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