研究課題
基盤研究(C)
より精確な建物の強風被害脆弱性曲線を提供することを目的に,複数の台風被害に対して強風被害連鎖を引き起こす要因を整理し,それらが被害拡大に及ぼす寄与率を検討した。精確な強風被害予測を行う上では,個々の建物に作用する風力を精緻に求めることが最適であると考えられるが,構造物の年代や屋根葺材の構造物特性を考慮し,隣接建物との距離等の周辺環境を複合的に検討することで,強風被害リスク推定精度を高めることができることが分かった。
風工学
個々の建物に作用する風力および構造物の耐力が分れば,強風被害の発生と拡大を推定することは可能であるが,さまざまに条件が異なる戸建て住宅等の小規模建築物に対して,条件に合致した風力と耐力を求めることは非常に難しい。本研究で行った構造物の特性や周辺環境を複合的に考慮することで,強風被害リスク精度を高める方法は,地形等の地理情報や自治体が有する登記情報を利用することで実現が可能であり,強風災害のリスクマネジメントへの利用が期待できる。