研究課題/領域番号 |
18K04665
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
樫山 和男 中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
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研究分担者 |
有川 太郎 中央大学, 理工学部, 教授 (00344317)
車谷 麻緒 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (20552392)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 津波 / 固体流体連成解析 / メソスケール / 損傷モデル / アイソジオメトリック解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、研究目的を遂行するため、大きく以下の5項目に分類して津波による構造物の破壊メカニズム解明のための固体流体解析手法の構築を行った。1)固体メソスケール解析システム構築、2)流体メソスケール解析システム構築、3)連成メソスケール解析システム構築、4)超並列解析システムの構築、5)全体システムの適用と評価・改良。 令和2年度は,前年度までに構築した1)~4)の手法を用いて、既往の実験結果のある問題に対して5)全体システムの適用と評価・改良について実施した。 具体的には、以下の2点について評価・改良を行った。(1)コンクリート構造物を対象として構造物の亀裂の発生と進展をより高精度に行うために、モルタルと粗骨材の界面における脆弱性の考慮を行った。界面における力学的脆弱性の存在は、破壊の起点となるとともにひび割れの進展経路にも影響を与える。本研究では、異種材料による非均質性と界面での脆弱性を考慮した損傷モデルを定式化し、固体メソスケール解析プログラムへの実装を行った。その結果、コンクリートのような複雑な非均質性を有する問題においても、容易に3次元メススケール破壊シミュレーションを行うことが可能となった。今後は、鉄筋コンクリートへの適用性を検討する予定である。また、(2)構造物の幾何形状を正確に考慮した固体流体連成解析を実現すべく、Spline 関数を形状関数に用いるアイソジオメトリック解析手法の導入について検討を行った。この手法は、CADにより作成された形状モデルを忠実に再現したメッシュ生成と有限要素解析を行うことが可能な手法である。ポテンシャル流れおよび弾性解析に対して、本手法を適用した結果、従来の有限要素法に比べてより少ないメッシュで幾何形状の近似ができるとともに精度も高精度なることが確認できた。今後は、構築した(1)と(2)を連成した固体流体解析を実施する予定である。
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