Pd金属の水素吸蔵過程での局所構造と相変化について,XAFSとXRDによって観察した.Pd L3吸収端近傍でXAFSおよびXRDを水素雰囲気下の同一環境下測定するために,試料セルを設計・製作した.XRDでは,水素吸蔵を示す格子定数の系統的な膨張およびalpha相からbeta相へ転移の際に生じるプラトー領域が観察され,さらにそれらの圧力が増圧と減圧過程で異なるヒステリシスも示された.一方のXAFS実験では,吸収端がシフトし,Pd-H間の結合生成を示すピークが出現した.このようなXAFSスペクトル変化にもプラトー領域やヒステリシスが現れ,格子膨張と電子状態変化の相関がみられた.
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