研究課題/領域番号 |
18K04687
|
研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
古瀬 裕章 北見工業大学, 工学部, 准教授 (50506946)
|
研究分担者 |
金 炳男 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (50254149)
堀内 尚紘 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (90598195) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | アパタイト / 透光性セラミックス / 放電プラズマ焼結 / レーザー / 蛍光体 |
研究実績の概要 |
本研究では,高品質な透光性アパタイト多結晶蛍光体の開発を試みている.六方晶系の結晶構造を持つアパタイトは,結晶軸によって屈折率がわずかに異なるため,多結晶体では粒界散乱によって透光性を得にくい.非立方晶系多結晶体の透明化は,新しい光学材料を開発する上で重要な意味を持つ.本研究では,多結晶体を構成する結晶粒の大きさを制御することで粒界散乱を低減し,単結晶体に匹敵するような高品質な多結晶セラミック材料を開発することが目的である. 令和元年度は,Nd添加フッ化アパタイトレーザーセラミックスで得られた知見をもとに,他の希土類元素(Yb, Er, Ho, Tm)について,液相粉体合成,焼結による緻密透明化,光学特性および蛍光特性評価を行った.その結果,高濃度添加時においても単相で透明な焼結体が得られた.Yb, Er添加材料については蛍光観測に成功し,新たな蛍光体としての可能性を見出した.その他の添加材料については,吸収特性を明らかにすることで励起波長について調査した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の希土類添加アパタイト焼結体でレーザー発振に至るなど,当初予定を超えた成果が得られている.また,中赤外域において散乱係数が0.1/cm未満の低散乱焼結体が得られていることから,研究は順調に進展していると言える.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,中赤外域の新しい蛍光体としての可能性を評価する.加えて,すでに発振に至った材料について高出力化やパルス化を試み,単結晶体を凌駕するレーザー特性を目指す.
|
次年度使用額が生じた理由 |
励起光源の選定に時間を要したため,残額が生じた.適した光源,光学部品の準備に充填する予定である.
|