研究課題/領域番号 |
18K04689
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
鵜沼 英郎 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30273303)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨形成 / 骨造成 / 骨誘導 |
研究実績の概要 |
今年度は、(1)外方性骨誘導を助けるための新規骨補填材(炭酸カルシウム多孔質体)の検討、(2) PETメンブレンの特許出願、(3) 紙状アパタイトに骨髄幹細胞由来蛋白質を担持させて、紙状アパタイトが骨形成蛋白質のキャリアとして応用可能かどうかの検討、の3項目の研究を行った。 (1) 炭酸カルシウム多孔質体は、研究代表者らが初めて作製に成功した材料である。この気孔率を変えた試料を、Wistarラットの頭蓋冠骨欠損部に埋入したところ、従来のリン酸三カルシウムと同程度の気孔率の場合には、炭酸カルシウムの方がより迅速に吸収されるとともに、初期に著しい骨形成促進作用を示した。しかし、吸収されつくされてしまうと、その後の骨形成を促さなくなるため、骨形成促進のためには、より低い気孔率の多孔質体が必要なことが分かった。 (2) 発明者:鵜沼英郎、山内健介、清水良央、「骨再生及び/又は骨増量用メンブレン 特願2020-044341」(出願者:東北大学、山形大学)を出願した。 (3) 紙状アパタイトについては、まず生体内の安全性をin vivoで確認した。さらにラット頭蓋冠に骨髄幹細胞由来蛋白質を担持させたものを埋入し、組織学的観察を行った。その結果、紙状アパタイトがすぐれた蛋白質キャリアになりうることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PETメンブレンは研究当初の目標通り、外方性骨誘導のために有効な材料であることが分かり、特許出願に至ったから。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に見出した、炭酸カルシウム多孔質体および紙状アパタイトの蛋白質キャリア特性について引き続き検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画通り、令和2年度も引き続き研究を継続するため。
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