研究実績の概要 |
昨年度までに得た複数の手法[Hinuma et al. Mater. Trans 61, 1430; Hinuma et al. Phys. Rev. Mater. 2, 124603; Hinuma et al. Comp. Mater. Sci, 113, 221]を用い、β-Ga2O3とθ-Al2O3の実験的に得ることができる(accessible)な表面を得た[Hinuma et al. J. Phys. Chem, C 124, 10509]。accessible表面におけるイオン化ポテンシャルと表面エネルギーとの相関は見つからなかったものの、実現可能性が低い表面を弾けるようになったことは、実現可能性の高い表面を計算で予測する点では大きな進歩である。 実際の光触媒においては、H+やOH-イオンなどが多く含まれる水溶液中等で用いられることが多い。このため、分子吸着により、表面の安定性やイオン化ポテンシャルなどの特性が大きく変わることも十分予想される。今年度は原子吸着候補サイトを自動的に予測するアルゴリズムを開発・実装した。[Hinuma et al. J. Phys. Chem. C 124, 27621]吸着原子は、吸着先の表面の原子から、おおよそ、ある一定の距離に位置する。これを、電荷密度がある一定の値になる場所と読み替え、その場所の表面からの距離が極大・極小・鞍点となる位置を吸着地点候補として、画像認識の問題として解決することに成功した。
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