固体における構造相転移は結晶を構成する原子の配列の微妙な変化によって起こるものの、いくつかの強誘電体結晶においては通常では考えられないほどの1mmというマクロなサイズを境に相転移が出現/消失する「巨大粒度効果」が観測され、その機構を明らかにすることを目的としてCsZnPO4、CsCoPO4、RbZnPO4、RbCoPO4などの化学的に高純度でかつ欠陥などの物理的純度の高い単結晶試料を合成し、その熱物性について調べた。その結果、より高温での強弾性相転移に伴う強弾性ドメイン構造の発生が巨大粒度効果に大きな影響を与えていることが明らかになった。
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