研究成果の学術的意義や社会的意義 |
室温超伝導物質はエネルギー問題解決に資する材料である。現在、常圧下で最高の超伝導転移温度(Tc)を持つ物質は銅酸化物高温超伝導体(HTSC)であり、そのTc は130 Kであるが、電子状態の調整で室温超伝導が発現する可能性がある。しかし機構が完全に解明されていないため、Tc を上げるにための明確な指針は得られていない。 今回の研究で取り上げたNi,Pd酸化物はHTSCと構造・電子状態がよく似ているので超伝導が発現すればHTSCと詳細に比較することによりTc上昇の必須条件が抽出できる。本研究ではNi,Pd酸化物での超伝導発現の一歩手前まで近づき、今後の研究への重要な情報を与えたものである。
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