フラン樹脂の球状粒子(粒径1 μm)を、窒素中で800℃(0~3 h)でKOH賦活した。H2O2(30wt%)、HNO3(60wt%)、KMnO4(0.06 M)、体積比1:3の濃硝酸と濃硫酸からなる混酸を用いて液相酸化した後、乾燥した。活性炭の比表面積[m2/g]は窒素吸脱着測定、表面化学結合はX線光電子分光(XPS)、表面官能基量はBoehm滴定法でそれぞれ評価した。活性炭とアセチレンブラックとPTFEを重量比8:1:1で混練し、200 μm厚、直径14 mmに成型後、電解液として6 M KOH水溶液を用いて0.0~1.0 Vの電位で、電流密度20~500 mA/gとして定電流充放電試験を行った。サイクリックボルタンメトリーは、電位走査範囲-0.2 ~ 0.8 V、電気化学インピーダンス分光法は、振幅電圧5 mV、周波数範囲0.001 Hz ~ 10 kHzで行った。 酸処理によって、塩基性官能基が消失し、全表面官能基量は、H2O2処理(2.20 mmol/g)およびHNO3処理(2.51 mmol/g)の方が、酸処理なし(2.74 mmol/g)より小さくなった。酸処理でフェノール基量が減少し(1.626 → 0.767~0.998 mmol/g)、カルボキシル基量が増加した(0.562 → 0.965~2.999 mmol/g)。これは、フェノール基が酸化されたと考えられる。特に、混酸処理ではカルボキシル基量が著しく増加し、全酸性基量も4.097 mmol/gと最大であった。また、酸性官能基の酸化還元反応による擬似容量の発現や、活性炭の濡れ性向上による電荷移動抵抗の減少がみられた。また、カルボキシル基量と電荷移動抵抗間に相関関係が認められた。カルボキシル基の導入方法としては、KMnO4処理や混酸処理が最適であると考えられる。
|