骨や歯の無機主成分であるNa含有B型炭酸アパタイト(B-CA)は、特定の組成において良好なO2-伝導を示す。そこで本研究では、B-CA系セラミックスのO2-伝導機構を解明し、実用デバイスに必要とされる500~600℃で10-2 S/cmを実現するB-CA系電解質の設計に繋げることを目的とした。結果、B-CA系セラミックスのO2-伝導機構として、c軸上の酸化物イオン欠陥を介する一次元伝導および熱誘起的なNa+/O2- 間の欠陥会合の形成と解離に基づく、格子間O2-サイトを介した三次元伝導の可能性を示し、欠陥組成の最適化により、600℃で10-2 S/cmの導電率の実現に成功した。
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