我々は電着プロセス法を検討する過程で、アンモニア溶媒法によるアルカリ金属のインターカレーションの研究を行い、K及びRbについてフラーレンへのインターカレーションとPowder in Tube法を同時に行える方法を見出した。いろいろなシース管を試した中で、真鍮、モネル管が適していることが分かり、溝ロール-平ロールによる圧延手法を中心に線材の作製を行ってきた。世界で初めて実用化を目指したフラーレン線材の臨界電流密度Jcを測定し、Kドープ線材では5K, 0Tで300A/cm2の臨界電流密度という値を得た。フラーレン超伝導体ではこれまで応用研究が不足していたが、応用への端緒をつけることができた。
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