本研究では、チタン製手術器具を硝酸含有非水溶媒電解液で陽極酸化処理をすることで、可視応答生NドープTiO2光触媒被膜を形成し、細菌感染のリスクを飛躍的に低減できる常時抗菌性を付与する技術の開発を試みた。この目的を達成するために、まず、陽極酸化処理において材料表面/電解液の界面で起こる反応を解析し、次にこの知見を基に、難剥離性被膜の形成に最適な非水溶媒を選び出し、最後に、光触媒抗菌機能の観点から非水溶媒電解液における好適な硝酸濃度を決定した。以上により、1Mの硝酸塩を含むグリセロール電解液で陽極酸化処理することで、既存被膜の機能を凌駕する剥離性の可視応答性光触媒抗菌被膜を形成できることを示した。
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