タンパク質によってキラルに配列された異方性金ナノロッドの界面シリカコーティング及びその不斉記憶について検討した。金ナノロッドに血漿タンパク質を添加し、自己組織化的に負のキラリティーを有するキラル組織体を構築した後に、その界面をシランカップリング剤で被膜した。その結果、複数個の金ナノロッドをコア部に内包したコアシェル型ナノ粒子が得られ、それはキラル源のタンパク質は除去されていた。更にシリカ被膜化がコアシェル型ナノ粒子のキラリティーの熱安定性を向上させていた。以上のことより、タンパク質をキラル源とした不斉を記憶した無機系複合ナノ材料の創出が可能であることが示唆された。
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