本研究で提案した接合用インサート材は,低温で溶融させて接合し,かつ接合後のインサート材の融点を上昇させる手法である。融点を制御するために融点降下元素を添加すること自体は一般的であるが,それを蒸発させて系外に排出するということはこれまでにない極めて独創的な着想である。それが実現可能であることを示しただけでなく,得られた接合体の高温強度特性など優れた特徴を実証した。新たな学術的着想の応用展開を図るという点で,本研究の意義は非常に大きい。セラミックスの大型・複雑形状部材作製の大幅な簡便化と低コスト化につながり,軽量化や燃焼温度の向上によるエンジン低燃費化など社会的貢献につながる。
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