セルロースナノファイバー(CNF)は注目度の高い材料であるが,流体力学的な観点からの研究は少ない。CNFは細長い短繊維形状をしており,流動中の配向状態を調べる研究はとくに少ない。本研究はその先駆け的研究である。マクロサイズの短繊維の配向状態は過去によく研究されていたが,CNFのようなナノスケールサイズの繊維の配向状態は温度に影響され,添加する高分子が希薄であっても高分子の種類によっては配向状態が変化することが明らかとなった。これらの結果は,CNFを用いた成形品などを製造するにあたっての基礎的な知見となるものと期待できる。
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