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2018 年度 実施状況報告書

酸化物系耐環境コーティングのSiC/SiC基材からの耐剥離特性の定量評価技術

研究課題

研究課題/領域番号 18K04735
研究機関東京工科大学

研究代表者

香川 豊  東京工科大学, 片柳研究所, 教授 (50152591)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードEBC / 耐環境コーティング / SiC/SiC / 剥離抵抗 / ひずみエネルギー解放率 / 不均一分布 / 有限要素法解析 / 試験方法
研究実績の概要

航空機用ガスタービンエンジンの低燃費化、高効率化のために、SiC繊維強化SiCマトリックス複合材料(SiC/SiC)が利用され始めた。実使用環境下で生じる様々な損傷からSiC/SiCで作られた部材を保護するために耐環境コーティング(EBC)が必要になっている。EBCがSiC/SiC基材から剥離すると、基材が直接苛酷環境に曝され劣化するため、剥離は避けなければならない課題である。そのために、EBCのSiC/SiCからの剥離現象を評価するために剥離抵抗を定量的に求めることが強く求められている。しかし、定量的な評価手法は十分に確立されてはいない状況である。
SiC/SiCを基材とする場合には、従来から金属の基材で用いられている技術ではミクロ破壊を生じやすいSiC/SiC基材には対応できない。本研究では、ミクロ破壊を累積しやすい基材の特性に注意しEBCの剥離抵抗を測定する方法を検討した。試験方法として、SiC/SiC基材を拘束した条件下でEBC層とSiC/SiC基材界面にせん断力を加え流方法を採用し、剥離界面に安定なき裂進展を発生させた場合の剥離抵抗を有限要素法により解析した。また、EBCの剥離抵抗評価においてはSiC/SiC基材の不均一な構造の影響を考慮する必要があると考えられる。しかし、剥離抵抗評価に対して基材やコーティング層中の不均一応力/ひずみ分布を考慮した検討は行われていない。本年度は、不均一応力/ひずみ場が発生する場合の剥離抵抗の定義の方法や平均化した剥離抵抗の持つ物理的な意味について有限要素法解析の結果を詳しく考察し、最適な実験方法を提案し、実験により得られる結果の取り扱い方法を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存の技術では考えられていないコーティング槽内の不均一応力/ひずみの影響を定量的に評価解析することができた。この結果より、実験技術を考える際の留意点も明確になった。また、当初予定していた、実験技術のための準備も順調に進んだ。

今後の研究の推進方策

当初の計画通りに研究を進める。不均一応力/ひずみの影響については学術的にも重要だと判断されるのでより詳細に検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、既存の研究施設や解析ソフトを利用することにより研究経費の節約が可能であった。このために当初予定していた研究項目に遅れは発生していない。次年度の予算は実験に用いるデータ取得及び解析のための装置を充実させることに使用することを予定している。また、可能であれば界面クラックのその場観察も行うことを検討中である。本年度の未使用研究経費はこれらの装置の充実のために利用することを計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 その他

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Effect of stress/strain distribution on quantitative measurement of delamination toughness in oxide EBCs on SiC/SiC substrate system2019

    • 著者名/発表者名
      Y. Arai, Y. Aoki, H. Hatta, Y. Kagawa
    • 学会等名
      43rd International Conference & Exposition on Advanced Ceramics & Composites
    • 国際学会
  • [備考] 東京工科大学セラミックス複合材料センター

    • URL

      https://www.teu.ac.jp/karl/cmc/

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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