研究課題
基盤研究(C)
化学的に安定なポリフェニレンイオノマー(SPP-QP)と機械的に柔軟なポリエチレン多孔性基材(PE)から成る、フッ素を全く含まない新規な補強型高分子電解質膜(SPP-QP-PE)の開発に成功した。この補強膜(SPP-QP-PE)は、未補強膜(SPP-QP)に匹敵する高いプロトン伝導性とガスバリア性を有しつつ、未補強膜(SPP-QP)をはるかに上回る機械強度を有することを明らかにし、燃料電池発電において優れた性能と耐久性を併せ持つことを実証した。
高分子化学
ポリフェニレンイオノマーは、その極めて高い化学的安定性ゆえに、各種エネルギーデバイスにおける電解質材料として注目を集めている。しかしながら、高分子主鎖が剛直なフェニレン基のみで構成されているため、硬くて脆い膜になりやすく、機械的強度に富み柔軟であることが求められる隔膜としての利用は難しいとされてきた。本研究は、そのようなポリフェニレンイオノマー膜が有する課題の解決法を提案するものであり、特に、燃料電池や水電解システムへの応用が期待できる。