| 研究実績の概要 |
アルミナ強化磁器の強度は、磁器マトリックスとアルミナ粒子の熱膨張率差に起因するプリストレスにより強度が向上するものの、それだけでは十分に強化分を説明できないことが明らかとなった。さらなる強度向上は、磁器焼成の冷却過程で生じる石英粒子の相転移に伴う亀裂発生を、アルミナ粒子添加が抑制するため、であることがわかった。マイクロメカニクス計算で推定したプリストレスと、ラマン分光の応力シフトから算出されたプリストレスが一致し、強化メカニズムの妥当性が定量的に検証できた。さらに、焼成変形が抑制されるように設計された磁器においても、残存アルミナ量によって強度が支配されていることを明らかにした。これらの研究成果は、以下の論文にて発表された、(1)Takashi AKATSU, Masashi UNNO,and Tomotsumi FUJISAWA: Prestress in alumina-strengthened porcelain as estimated with Raman scattering spectroscopy; Journal of the Ceramic Society of Japan, in press. (2)Takashi AKATSU, Dong HAO, Anna HUBAREVICH and Katsumi YOSHIDA: Flexural strength of alumina-strengthened porcelain with both small water absorption and small pyroplastic deformation; Journal of the Ceramic Society of Japan, 129 [3], 195-199 (2021). (3)Takashi AKATSU, Miho TOMIYASU, Takahito SHINGAE and Nobuaki KAMOCHI: Strengthening in porcelain reinforced with alumina particles; Journal of the Ceramic Society of Japan, 128 [12], 1045-1054 (2020).
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