アルミナ強化磁器の強度は、磁器マトリックスとアルミナ粒子の熱膨張率差に起因するプリストレスにより強度が向上するものの、それだけでは十分に強化分を説明できないことが明らかとなった。さらなる強度向上は、磁器焼成の冷却過程で生じる石英粒子の相転移に伴う亀裂発生を、アルミナ粒子添加が抑制するため、であることがわかった。マイクロメカニクス計算で推定したプリストレスと、ラマン分光の応力シフトから算出されたプリストレスが一致し、強化メカニズムの妥当性が定量的に検証できた。さらに、焼成変形が抑制されるように設計された磁器においても、残存アルミナ量によって強度が支配されていることを明ら かにした。
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