マグネシウム(Mg)の高温長時間(クリープ)強度向上には,希土類元素の添加が有効である. しかしながら希土類元素の微量添加の効果は実用化温度域を超える高温域に限られ,実用化温度域で高温強度を得るためには、析出物を導入できる高濃度の添加が必要である. 本研究ではMg-Y系希薄固溶体に対して塑性変形時に導入される林転位を用いた0.5Tm(Tm:融点)以下の温度での長時間強度改善の可能性について検討した.その結果,林転位による強化は変形のごく初期に留まり,長時間強度にはむしろ弱化因子として作用することが明らかとなった.また,その要因として高温下でのa転位とc転位の再結合機構が提案された.
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