本研究の結果から,従来確定していなかった無機粉体の泳動電着メカニズムを明らかにすることができた。今後は泳動電着によって成膜を目指す際に浴の設計に関しての指針になると考えられる。また,本研究の独自性が高いと考えられる泳動電着とめっきの組み合わせによる緻密な複合膜は3つの粉体と2つのめっきからなる系で達成され,他の系でも同様に可能と考えれる。新しい複合材料膜の作成方法として,あるいは従来高温プロセスを必要とした超硬合金やコバルトマンガンスピネルの新しい作成方法として応用が可能であろう。さらに開発法では膜が得られ,また膜の厚さは自在にコントロールできる汎用性が今後の応用の広さにつながると考えている。
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