本研究では、層状構造を有するII-V族半導体のZintl相Mg3(Sb,Bi)2に着目した。液体封止剤を用いた合成手法、放電プラズマ焼結法による1段階合成同時焼結法を開発し、マグネトロンスパッタ法によるMg3Sb2多結晶薄膜の作製に成功した。バルク材料では、酸化物還元法と放電プラズマ焼結法を組み合わせることで、Y、Sc、Laなどの希土類元素のドーピングを行い、熱電特性の向上を図ることができた。薄膜材料では、Mg3Sb2の構造はアモルファス、立方晶、六方晶の3つ状態が存在し、その微細組織や熱電特性はターゲットのMg/Sb組成や基板温度などの成膜条件によって大きく影響を受けた。
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