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2019 年度 実施状況報告書

CO2塗装法における環境適合溶剤選定法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K04803
研究機関東北工業大学

研究代表者

佐藤 善之  東北工業大学, 工学部, 教授 (50243598)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードviscosity / gas expanded liquid / polymer solution
研究実績の概要

本年度は高圧CO2を含む溶液系に適用可能な粘度測定装置の開発を昨年度に引き続き継続するとともに、対象をポリマー溶液系に広げて溶液の粘度推算を検討した。CO2/有機溶剤系では、CO2溶液の密度を相関して決定した状態式パラメータをFree Volume Theory(FVT)に適用することにより、良好に粘度の推算が可能であることが示された。ポリマー系では4種類の有機溶剤に対してCO2/有機溶剤/ポリマー3成分系の粘度測定を行った。ポリマーにはPoly(Bisphenol A-co-Epichlorohydrin) (PBE)を用いた。測定により得られたCO2/cyclohexanone/PBE系の粘度測定結果を用いて、CO2/有機溶剤/ポリマー系に対するFVTに基づいた粘度推算モデルの適用性について検討した。実プロセスの塗料は多成分系から構成されていることを考慮し、CO2とポリマー溶液の擬2成分系を仮定した粘度推算手法をここでは検討した。ポリマー溶液のパラメータは、ポリマー溶液の大気圧条件下における粘度の温度依存性データを相関し決定した。粘度推算に必要な比容積Vは,Sanchez-Lacombe状態方程式(SL-EoS)を用いてCO2溶解による密度変化率を推算することにより算出した。また、状態式中の相互作用パラメータは温度40℃における溶液中のCO2溶解度を相関することにより決定した。温度40℃におけるCO2/cyclohexanone/PBE系の粘度推算値と実験値の絶対平均偏差はARD = 42.4 %であり、粘度推算値が測定値よりも高粘度側に偏倚した。この原因として、シフトファクター相関の際の自由体積分率に対して、粘度推算の際の自由体積分率の方が外挿となっているためであると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大学を移籍したことに伴い、研究期間に空白が生じた。このため、若干であるが研究の進捗に遅延が生じている。前年度の研究計画の変更に伴い、市販のプロセス粘度計を導入し、研究の加速を計るなどの工夫を行い、回復を進めている。

今後の研究の推進方策

今後はポリマー溶液に対する粘度へのCO2添加効果について、パリマー種を広げて検討する。ポリマーに関してはpolymethylmethacrylateやpolyacrylonitrileなどを予定している。これらのポリマーに対し各種の溶媒に対する溶解性を試験し、ポリマーの溶解度パラメータ(HSP)やpartial solvation parameter (PSP)を決定するとともに、ポリマー溶液の粘度を測定し、HSPやPSPに対する粘度の影響を検討する。さらにCO2の添加による粘度挙動がどのように変化するかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

大学の移籍に伴い、研究期間に空白が生じた。このため、予定していた試料まで試験対象を広げることができなかったために次年度使用が生じた。本年度は、粘度の評価のために密度情報が重要であることがわかったので、密度計の導入を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] CO2塗装法に向けたCO2膨張液体の粘度測定2019

    • 著者名/発表者名
      米山 知里, 佐藤 善之, 猪股 宏
    • 学会等名
      第40回 日本熱物性シンポジウム
  • [学会発表] Measurements of viscosity, density, and bubble-point pressure of CO2 + methanol system2019

    • 著者名/発表者名
      Chisato Yoneyama, Yoshiyuki Sato, Hiroshi Inomata
    • 学会等名
      18th Asian Pacific Confederation of Chemical Engineering (APCChE2019)
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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