研究課題/領域番号 |
18K04815
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
武井 孝行 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (90468059)
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研究分担者 |
吉田 昌弘 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (50315397)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | カプセル / リキッドマーブル / 気相 |
研究実績の概要 |
本研究では、カプセル内にあらゆる有用物質を高含有させることができ、かつ、そのカプセルに意図した機能を付与できる、極めて汎用性の高いカプセル調製法の確立を目指す。初年度は、様々な液滴固化法を利用してカプセルを作製し、親水性物質や疎水性物質さらにそれらの中間の性質を有するイオン液体などを超高効率(> 99%)でカプセル中に内包でき、さらにそれらをカプセルに高含有(含有率:> 70%)させることが可能であることを実証することを目的とした。 まず、疎水性カプセル壁材としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを選択し、ラジカル重合により疎水性物質であるテトラデカンを包括したところ、99%以上の効率で包括でき、それゆえテトラデカンの含有率が70%以上のカプセルを容易に作製できることを示した。また、同じカプセル内にイオン液体である1-Butyl-3-methylimidazolium bis(trifluoromethane sulfonyl)amideを高効率で包括でき、かつ高含有化も可能であることを示した。さらに、親水性カプセル壁材としてゼラチンゲルを選択し、そのカプセル内に疎水性物質である菜種油を高効率で包括できることを示した。以上に加えて、圧縮空気のカプセルへの噴射や布等でカプセル表面を拭きあげることにより容易にカプセル表面の微粒子を除去できることを確認した。これによりカプセルの応用範囲も広がると期待する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた研究内容を全て完了できたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は予定どおり以下の検討を行う。 カプセルの有用物質含有量が増加するほど、相対的にカプセル壁材量が減少し、カプセルの強度が低下してしまう。有用物質がカプセルの中央部に配置された単核型(中空)カプセルは、他の構造のカプセルと比べて、有用物質含有量の増加にともなったカプセルの強度低下を最小限に抑えることができる。そこで、単核型カプセル調製のための指針を確立する。なお、液相中において単核型カプセルを作製する際には拡張係数がその指標として利用されている。その液相中でのカプセル調製時には、撹拌が必要であるため、そのせん断によって液滴は高速回転し、それにより液滴内部で発生する遠心力が重力や浮力の影響を打ち消しているが、リキッドマーブルを静置したまま固化させる場合には重力や浮力の影響を無視できない。そこで、上記の拡張係数を基に、それらの力を考慮したモデル式を作成する。なお、モデル式の作成が困難を極める場合には、液滴を転がしながらカプセルを作製することで、すでに報告されている液相系でのモデル式が適用できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究開始後に、追加での装置の購入が必要であることが判明し、その購入のため、前倒し支払請求を行った。しかし、自前でその装置を作製することができたため、前倒し支払請求分をほぼ使用せずに済んだ。そのため、次年度は当初の計画通りに研究を行う。
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