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2020 年度 実施状況報告書

液液スラグ流を用いた生成粒子径分布の柔軟な制御が可能な微粒子合成プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K04828
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤岡 沙都子  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (50571361)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードスラグ流 / 液液スラグ / 微粒子 / 連続合成
研究実績の概要

本研究では「液液スラグ流を用いた生成粒子径分布の柔軟な制御が可能な微粒子合成プロセスの開発」を目指し, 可視化実験に基づくスラグ形状予測式の提案, 界面形状を考慮に入れた液液スラグ流の圧力損失推算式の提案, を行うとともにゾルゲル法によるシリカ微粒子合成をモデル反応として生成粒子径分布の制御可能性を明らかにする。
今年度は、ミニチャネル内で種々の操作条件でシリカ微粒子合成反応を行い, レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いた生成粒子径分布の評価を行った。また、高速度カメラを用いたスラグ流の撮影を行い, スラグ長さと生成粒子径の関係について検討した。
内径が1 mm, 2 mmの円管内に連続相を不活性液体(フロリナートFC-40), 分散相を反応液(オルトケイ酸テトラエチル, エタノール, 塩化カリウム, アンモニア水)として流し, T字型分散器で合流させスラグ流を形成させた。平均滞留時間を10分で一定とし, 両相の体積流量比(連続相流量に対する分散相流量の比)および合計体積流量を変化させて生成粒子径分布に及ぼす影響を検討した。体積流量比0.5~2.0の範囲で断面平均流速の増加により平均粒子径は増加しCV値はわずかに減少した。これは内部循環流による混合促進効果によるものと考えられる。一方, 体積流量比の増加によりスラグ長さは顕著に増加したが, 平均粒子径やCV値に及ぼす顕著な影響は見られなかった。また、特に断面平均流速が大きい場合に平均粒子径がばらつきやすい傾向にあった。トレーサー粒子を用いたスラグ内部の可視化により, スラグ内部は一様に混合されるのではなく, 良混合領域の偏在が見られ, 長さだけで整理するのは難しいことがわかった。また, 両相の比重差により管径が2 mm程度になると軸対称性が崩れ平均粒子径やCV値の制御が困難であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の影響による登校制限等の影響から, 今年度前半に実験が行えなかったことにより進捗が遅れている。実験においては, 昨年度後半に測定方法を変更したため粒子径分布測定はスムーズに行えたが, 新たに判明した実験装置の不具合によりスラグ流を合一させずに反応を進行させることが困難であり, 実験に時間を要した。実験装置の改善ならびに撮影系の調整に時間を要したためCFDによる内部流動の解析までは行えなかった。

今後の研究の推進方策

管材質と流体の濡れ性の関係を考慮し, 合一の影響が少ない実験系を設定できれば目的としていたスラグ形状と生成粒子径の関係を考察するために不足しているデータを取得できると考えられる。そのために, 不活性流体の種類を変更すること, 反応管やT字型分散器の材質を変更すること, の2点について確かめる。また, CFDによる流動解析は困難であるため, トレーサーを用いたPIV解析により内部流動状態と生成粒子径分布の関係を明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響による登校規制ならびに実験装置不具合による実験の遅れが生じ, 計画通りに実験を遂行できなかった。当初の計画では粒子合成実験とCFDによるスラグ内部流動の解析を並行して進める予定であったが実験の遅れによりCFDに着手できなかった。
次年度は, 今年度の実験結果を踏まえた実験系(流体種類, 装置材質)の変更を行い粒子径分布を測定するとともにCFD解析を行う予定である。また, トレーサー粒子を用いた予備検討によりスラグ内部の循環流フローパターン解析も実現可能性が明らかになったため, CFDと合わせて可視化解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 液液スラグ流を用いたミニチャネルによるシリカ微粒子の合成2021

    • 著者名/発表者名
      岩崎将志, 藤岡沙都子, 寺坂宏一
    • 学会等名
      化学工学会第86年会

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公開日: 2021-12-27  

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