近年人類が直面しているエネルギーにかかわる2つの大きな問題、化石燃料の枯渇、および二酸化炭素の増加に伴う地球温暖化の問題を同時に解決する手段として人工光合成などの光触媒反応の研究が進んでいる。人工光合成反応において二酸化炭素の還元反応の高効率化が最も重要な課題であり、その為には光励起された電子ダイナミクスを明らかにする必要がある。我々が行った時間分解THz全反射分光という手法は液体中の分子間距離の時間変化を知ることができ、光反応過程において電荷移動反応の前駆現象として金属分子と還元剤の距離が縮まる様子を観測した。このことは触媒反応の高効率化する上で重要な役割を果たすと考えられる。
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