研究課題/領域番号 |
18K04838
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多田 昌平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (60769941)
|
研究分担者 |
藤原 翔 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (70816628)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 火炎噴霧熱分解法 / 銅触媒 / ジルコニア / 二酸化炭素 / メタノール / 水素化 / 高担持 / ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
商用触媒であるCuO/ZnO/Al2O3は、合成ガス(CO/CO2/H2混合ガス)からのメタノール合成反応に有用である。しかし、本触媒は合成ガスを原料とすることを想定しているため、CO2からのメタノール合成では十分な活性を示さない。本研究では、CO2からのメタノール合成触媒に特化したCu/ZrO2系触媒の開発を目指す。新規触媒の開発指針は以下の3つである: 1) メタノール分解反応の抑制(メタノール吸着力の弱い触媒担体の探索)、2) 活性サイトであるCu-ZrO2界面の拡大(Cu粒子の微粒化、Cu担持量の増加、ZrO2の高表面積化)、3) 簡便な触媒調製法の採用(本研究では工業応用されている火炎噴霧熱分解法に着目)。これらの検討を通して、商用触媒であるCuO/ZnO/Al2O3よりも、CO2からのメタノール合成活性・選択性の高いCuO/ZrO2系触媒を開発する。 本年度は、Cuの担持量を20-80wt%まで変化させたCuO/ZrO2触媒を調製し、Cu担持量の本反応への影響を考察した。60wt%Cu触媒が、市販のCuO/ZnO/Al2O3触媒よりも高いメタノール収率、メタノール選択性を示した。調製直後のCu触媒では、Cu微粒子(5 nm以下)がZrO2を覆ている構造をしていた。また、XPS/AES測定から、このCu種はZrO2と強く相互作用していることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
商業触媒よりも高い活性・選択性を有する触媒の開発に成功したため。
|
今後の研究の推進方策 |
Cu-ZrO2の相互作用を発現させるためには、ZrO2粒子の安定性を向上させる必要がある。そこで、SiO2などのスペーサーとなる第三成分を添加し、ZrO2の凝集を防ぐことを狙う。また、相互作用をさらに強固にするような第三成分を探索する。
|